朝鮮旧満州は施設栽培適地?

秋になると夕暮れ時守山市内の施設栽培に電灯が点灯する。日本の電力料金はおよそ韓国の 1.5 倍である。植物の生育に光と温度が欠かせない。世界の日照時間分布をみると,朝鮮および旧満州の日照時間が日本より長い。水が確保できて道路が整備されれば,日本に輸送費を掛けてもペイするのではなかろうか。

 

オランダの施設作物はイングランドに輸出される。イングランドとオランダの日照時間の差は 200 時間で,日本と中朝の差と同じだ。

 

施設の建設コストも日本より安価なのではなかろうか。日本の商社あたりが既に投資しているかもしれない。

 

小麦は古代から交易作物だった。現代の主要輸入国はエジプト,インドネシアおよびEUだ。古代エジプトはローマに輸出していたのが,今では輸入国である。EUと中国は輸出もしている。Wiki の小麦生産分布をみると,華北,インド,西欧,ステップおよびアルゼンチンの収量が高い。小麦文明発祥のレバントとアフリカは産しない。アフリカの人口増大と小麦増産は見合うのだろうか。

 

日本の小麦は自由貿易ではなく,江戸幕府時代と同じ管理貿易である。政府が定めた価格で製粉事業者に販売する。どうもこれに類するような事を韓国は石油,LNGでしているらしい。原発の燃料棒再処理,購入も日本政府が関与している。

 

国民に不可欠な食糧およびエネルギを政府価格統制の下に置く。自由主義を標榜していても,内実はいろいろである。学生の就職人気ランキング上位を総合商社が独占した。若者は老人が嘆くほど無知ではない。どうしたら楽をできるか。将来はどうなるか。過労するほど働き,疲れ切って考える気力も失せた中高年より少子化の若者が支える。見通し暗いな。

 

世界における小麦の生産分布をみると,世界史の出来事がつぎつぎ思い起こされる。大平洋戦争時,日本兵は「米」がないと戦えなかった。だから宿営地,行軍行程は水が最優先である。大戦末期,対ソ戦に備えていた満州日本軍の側面を主攻として,山岳と水のない乾燥地帯を越えてソ連の大機甲部隊が流れ込んだ。側面を破られた日本軍は構築した陣地を放棄して後退するしかなかった。戦史を陸士陸大で学びながら,毎日飯を食っていると,世界軍事の常識が抜け落ちてしまった。現代の陸自も似たようなものだろう。

 

参考

Sunshine duration - Wikipedia

https://apps.fas.usda.gov/psdonline/circulars/grain.pdf

 コムギ - Wikipedia